乳がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の手引き

わが国における新型コロナウイルス感染拡大に対して2020年4月7日に発せられた緊急事態宣言の解除を受け、5月26日に「新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言の解除を踏まえた各種健診等における対応について」https://www.mhlw.go.jp/content/000633977.pdfが厚生労働省から発せられ、日本乳癌検診学会からも「乳がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の手引き」としてコロナ禍においても安心・安全な乳がん検診を受けていただくためのガイドラインを示させていただきました。
厚生労働省からの通達でも、「緊急事態宣言が再度行われた場合の対象地域における各種健診等の実施について」に加えて、「新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえたがん検診における対応について」が2021年4月26日付けで示されています。コロナ感染症に関してはこの数年間に多くの知見が発表され、コロナワクチンの接種側の腋窩リンパ節腫大など新たな知見も発表されました。日本乳癌検診学会ではプロジェクトチームを結成し、これら最新の知見を集めて対応マニュアルの改訂作業を進めて参りました。
この第3版では、コロナワクチン接種と乳がん検診の時期について見直しを行いました。2020年以降の乳がん検診受診率低下や受診控えを考慮すると、乳がん検診を優先すべきと思われます。また最近米国でもワクチン後の検診間隔について必要以上に間隔をあけないよう声明が出されたところです。そこで日本乳癌検診学会としても検討を行い、「ワクチン接種後の乳がん検診について、必要以上に間隔をあけることを推奨しない。可能であれば乳がん検診は、ワクチン接種から4~6週間の間隔をあけることを考慮してもよい。」としました。
検診提供者に対しては、検診受診者が安心して乳がん検診を受けていただくための最新の安全対策を提示しております。わが国の女性が一番罹患しやすい乳がんの早期発見には、まず、自身の乳房に関心を持つブレスト・アウェアネスが重要なキーワードです。乳がん検診の利益と不利益を十分ご理解いただき、コロナ禍においても安心して乳がん検診を受けていただきたいと思います。

2022年10月

特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
理事長 丹黑 章


乳がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の手引きVer.3.0.pdf(1.4MB)
消化器がん検診の新型コロナウイルス感染症への対応は日本消化器がん検診学会HPをご参照ください